海外ノマド引退、アルバニア起業を決意した理由
私は2021年11月から海外ノマド生活を始めました。
きっかけは、「一度きりの人生だからこそ、人間関係も仕事もすべてをリセットし、新しい環境でゼロから人生をやり直したい」と思ったこと。
人生を80年と仮定したとき、残り半分の時間をどこで、どのように生きていくのか。
日本以外に、自分がこの先の人生を過ごしたいと思える場所を探すこと。それが、私の海外ノマド生活における一つの目的だったのかもしれません。
- トビリシ、バトゥミ(ジョージア🇬🇪)
- イスタンブール(トルコ🇹🇷)
- ドバイ(UAE🇦🇪)
- ティラナ(アルバニア🇦🇱)
- アテネ(ギリシャ🇬🇷)
- ワルシャワ(ポーランド🇵🇱)
- バルセロナ(スペイン🇪🇸)
- ニース(フランス🇫🇷)
- ダナン(ベトナム🇻🇳)
- チェンマイ(タイ🇹🇭)
この5年間、さまざまな国を訪れました。中でも、ジョージアのバトゥミ、トルコのイスタンブール、そしてアルバニアのティラナには、それぞれ半年から1年以上滞在しました。
そんな海外ノマド生活に、一区切りをつけることを決断しました。
この記事では、私が海外ノマドを引退することになった経緯と、その先に選んだ新しい挑戦についてお話しします。
海外ノマドの始め方を紹介する記事は数多くあります。しかし、「ノマド生活を終えた後、どのような人生を歩むのか」という情報は、多くありません。
この記事が、そんな方にとって「ノマドの辞め方」を考える一つのきっかけになれば幸いです。
月収10万円超えたタイミングで海外ノマドへ

海外ノマドを始めた2021年、世の中はコロナ禍の真っ只中でした。
自宅での自粛を余儀なくされる中、私はブログを立ち上げ、Webライターとして活動を始め、パソコン一台で生計を立てられる環境を少しずつ整えていきました。
もちろん、最初から順風満帆だったわけではありません。
ブログを始めて約11か月間の収益は、たった1件、8,000円の成果報酬だけ。それまでの収入はほぼゼロで、何度も絶望し、先の見えない日々が続いていました。
ブログと並行し、生活費を確保するためにクラウドソーシングサイトでWebライターとして仕事を受け始め、月収が10万円を超えたことをきっかけに、海外ノマドとして新しい生活をスタートさせました。
海外での生活を始めた当初、収入は決して安定していたわけではなかったものの、ブログとWebライターの収益を合わせれば、海外で生活を続けることができました。
将来への不安を抱えながらも、異国の地で暮らしながらオンラインで仕事する。こんな日常そのものが新しい経験になっていく。
そんな海外ノマドならではの生活を存分に味わい、決して余裕があるとは言えない中でも、充実した日々を過ごしていたと思います。
そして2023年には、ブログ収益が月50万円を超え、さらに2024年には、Webライターとしての収益が月70万円を突破する時期も。
海外ノマドとして生活を続けながら収入も順調に伸び、この自由な働き方で今後も世界を旅しながら生きていけると思っていました。
しかし、こうした状況は長くは続かず、順調に見えた海外ノマド生活は、ある時を境に大きく崩れ始めます。
AIの進化でノマドという働き方が変わった
AIの急速な進化、これが私のノマドライフに直撃しました。
ChatGPTがすごいぞ?という話題がネットを駆け巡り始めた2024年頃、とはいえWebライティングの実務で使用できるほどではないと、他人事のように思っていました。
しかし、AIの進化は想像以上に早く、わずか1年で状況は一変。
AIが人間の仕事を奪うなんて、まだ先の話と思っていた矢先、私の仕事はAIによって代替されたのです。
私の仕事は、ブログ運営とWebライター。どちらもパソコン一台で完結する仕事であり、まさにAIが最も得意とする分野です。
AIの性能が飛躍的に向上するにつれ、Webライターの仕事は急激に減少。もっとも、この流れ自体は予想できていたものの「まだ先のこと」と楽観視していました。
しかし、その見通しは完全に外れることに。
AIを使えば、これまで何時間もかかっていた記事を短時間で作成することが可能になった今、企業にとってWebライターに外注するメリットはほとんどありません。
さらに追い討ちをかけるように、Webライターの仕事が減少する一方で、ブログもGoogleコアアップデートの影響を受け、収益は大きく落ち込みました。
2026年1月、南フランスのニース滞在中、私は無職になりました。
11年ぶりのニース🇫🇷
— Taka@無職 (@tabinomad2021) January 15, 2026
オフシーズンなので旧市街は半分以上お店が閉まっていて寂しい感じもするけど、街全体が静か。ただ、海はめちゃ綺麗。海岸線沿いの街、最高だ pic.twitter.com/055zvh5AKL
これまでのノマド生活の中で、最も生活コストが高いニースで、来月のクレカの請求額が飛行機代やAirbnb宿泊費を含め約50万円に達するにも関わらず、収入源が突如途絶えたのです。
それでも当時は、「これまでの実績があれば、新しいクライアントは見つかる。一時的に収入が途絶えることはフリーランスならよくあること」と、余裕をかましていました。
Upworkで新しい仕事を探せばいいだけだし、クライアントワークが無くなった分、放置していたブログへ再び力を入れれば、収入も立て直せると思っていたのです。
しかし現実は、厳しかった…。
数か月にわたり、国内クラウドソーシングサイトやUpworkで毎日のように新規案件へ応募し続けました。
同時に、Googleアップデートの影響でアクセスが落ち込んだブログも全面的にリライトしました。
それでも、新しいクライアントは見つからず、ブログのアクセスも戻ることもなく、収入ゼロで物価の高いヨーロッパで困窮する状態が続きました。
そのとき、「このまま同じ働き方を続けても、未来は変わらない」という事実に気づいたのです。というか、その事実を受け入れざるを得ませんでした。
そうして私は、約5年間続けた海外ノマド生活に一区切りをつけ、新たな挑戦へ進むことを決意したのです。
海外ノマド生活を5年間続けて気づいたこと
海外ノマド生活は、好きな国へ行き、好きな街で暮らし、気分が変われば次の場所へ移動できる自由な生き方です。
毎日カフェに行き、コーヒーを飲みながらパソコンで仕事するという、夢のようなライフスタイル。
そんな生活を約5年間続けられたことは、私の人生において非常に貴重な経験でした。海外ノマドになったからこそ見えた景色があり、出会えた人がいて、これまでの価値観も大きく変わりました。
一方で、旅を続けるうちに、心のどこかに引っかかるものがあったのも事実。
さまざまな国で暮らしてきたものの、どこへ行ってもノマドという働き方をしている以上、私は旅行者の延長にすぎなかったのです。
もちろん、一つの場所に縛られず、自由に移動できることはノマドの大きな魅力です。
しかし私は、自由に移動し続ける生活よりも、一つの場所に腰を据えて、その土地で人と関わりながら暮らす人生に惹かれ始め、実際にそれを実現している人に憧れるようになりました。
では、居住地として選ぶとするならどの国、どの街?
自分自身に問いかけると、決まって一つの国が頭に浮かびます。
アルバニア共和国🇦🇱
2023年に初めてアルバニアを訪れて以来、私は毎年4〜6か月ほどを首都ティラナで過ごすようになりました。
ヨーロッパには魅力的な国が数多くあります。それでも、気づけば何度もアルバニアへ戻っていました。
もし第二の故郷と呼べる場所があるとすれば、アルバニアかもしれない。
そう思う一方で、心に引っかかっていたこともあります。
アルバニアには何度も訪れ、長い時間を過ごしているにもかかわらず、現地の友人はほとんどいません。
これに関しては私のコミュニケーションスキルの問題があると思いますが、そもそもバルカン地域の気質も影響しているかもしれません。
実際、「僕はアルバニアが好きだけど、アルバニアは僕を嫌いかもしれない」と感じることも多く、何度も長期滞在のためにアルバニアでビザ取得を考えていたにも関わらず、申請に踏み切ることができずにいました。
なぜアルバニアなのか

アルバニアと聞いて、多くの人はこう思うかもしれません。
- なぜアルバニア?
- そもそも、アルバニアってどこ?
アルバニアは日本人の99%が行かない国と言われることがあります。実際には99.9%と言っても過言ではないでしょう。
さらに、「首都ティラナはヨーロッパで一番退屈な首都」と揶揄されるほど、観光客には人気がない国でもあります。
確かに、旅行先として考えれば、ヨーロッパにはパリやローマ、バルセロナなど、世界的に有名な観光都市が数多くあります。
そのため、わざわざ日本からヨーロッパに旅行するなら、あえてアルバニアを選ぶ人は多くはないし、私自身もおすすめはしません。
しかし、「住む場所」や「ビジネスを始める場所」という視点で見ると、アルバニアはまったく違った側面を持っています。
アルバニアは現在、高い経済成長を続けており、次のEU加盟候補国としても注目されている国です。
首都ティラナでは新しいマンションや商業施設の建設が次々と進み、海外企業の進出も増えています。
この成長過渡期のタイミングこそ、大きなビジネスチャンスかもしれません。
さらに、アルバニアはヨーロッパ各国へのアクセスにも優れていること。これが私がアルバニアを拠点にしたい理由でもあります。
首都ティラナからだと、イタリア・ローマなら日帰りも可能ですし、スペインやフランスなどの主要都市へもLCCを利用すれば手頃な価格で移動できます。
アルバニアを生活とビジネスの拠点にしながら、ふらっと気がむくままにヨーロッパ各地へ足を運ぶ。
このライフスタイルこそ、私が5年間の海外ノマド生活を通してたどり着いた、一つの理想のライフスタイルではないかと思うようになりました。
日本人だからこそ生まれるチャンス

私がアルバニアでの起業に可能性を感じている理由は、国の経済成長や立地だけではありません。
もう一つの理由は、アルバニアでは日本人としての優位性を発揮できるということ。つまり、日本人ということに価値が生まれるのです。
例えば、日本でおにぎり専門店を開業しても、コンビニや既存店との厳しい競争は避けられません。日本人が日本の商品を扱うだけでは、特別な差別化にはなりません。
しかし、アルバニアでは状況が一変します。
2026年現在、私が確認した限りでは、日本人が経営する飲食店はアルバニアにありません。
日本人がまだ進出していない国だからこそ、日本の食や文化を現地に届けること自体が、一つの希少価値になります。
また、ヨーロッパの主要都市では以前から寿司やラーメンが親しまれてきましたが、近年では抹茶や餅など、これまであまり知られていなかった日本の食文化にも関心が広がっています。
日本では当たり前に存在する商品やサービスでも、アルバニアではまだ新しい価値として届けられる可能性があるのです。
もちろん、日本人であるというだけでビジネスが成功するほど簡単ではないことは重々承知しています。
それでも、日本人がほとんどいない市場で、日本人だからこそ伝えられる品質や文化、背景を商品・サービスに込められることは、明確な強みになることは間違いありません。
99%の日本人が訪れないアルバニアだからこそ、日本人としての優位性を生かせる機会が残されているのです。
海外ノマド引退、でもアルバニアを拠点に旅は続く

私は海外ノマドを引退しました。
ぶっちゃけ、引退の直接的な背景には「稼げなくなった」というネガティブな理由があります。
実際、ブログやWebライターの仕事が順調なままだったら、今でもノマド生活を続けていたはず。
そう考えると、今回の引退決断は決して前向きな理由ではなかったのは事実。それでも、ピンチがあったからこそ、新たなチャンスに気付くことができました。
そして私は、アルバニアを新たな拠点にすることを決めました。
これからは、ノマドとして海外を旅するのではなく、アルバニアに拠点を築き、現地での新規事業に挑戦します。
ただし、海外ノマドを引退したからといって、旅そのものをやめるわけではありません。
アルバニアを拠点にしながら、これからもヨーロッパをはじめとするさまざまな国を訪れるつもりです。
これまでとの違いは、日本以外に帰る場所があること。
気の向くままに国から国へ移動するのではなく、アルバニアという拠点を持ちながら旅を続ける。
それが、5年間のノマド生活を経験した私がたどり着いた、新しい生き方であり、実現したいライフスタイルです。
これからこのブログでは、アルバニアでの起業準備や現地での生活、そして日本ではまだほとんど知られていないこの国の姿を、実体験を交えながら発信を続けていきたいと思います。
数年後、この決断を成功だったと振り返るのか。それとも、失敗だったと語ることになるのか。今の私には予想さえできません。
ただ一つだけ確かなことは、ノマドとして世界を旅した5年間があったからこそ、僕はアルバニアという国を知ったということ。
今度はアルバニアという異国の地に拠点を築き、新しい挑戦を始めます。
海外ノマドの辞め方を模索している人へ
AIの進化によって、これまで続けてきた仕事が減り、ノマド生活を維持できなくなったフリーランスは、私だけではないと思います。
ブログ、Webライティング、翻訳、デザイン、プログラミング。
これまで個人のスキルによって成り立っていた仕事の多くがAIに代替され、今までと同じ働き方を続けることに不安を感じている人は多いでしょう。
- 日本へ戻って就職するか
- 別のスキルを身につけ、再びオンラインで稼ぐ道を探すか
- それとも、海外でまったく新しい挑戦を始めるか
ノマドの始め方に関する情報は数多くあります。
一方で、ノマドをどのように終え、その次の人生へ進むのかという「辞め方」に関する情報はほとんどありません。
私自身も、正しい答えを見つけたわけではないものの、アルバニアという異国の地で起業するという選択肢を海外ノマド経験を通して見つけることができました。
この選択が、数年後に成功している保証はありません。それでも、ノマドを辞めることは、新たな挑戦を始めるスタートラインに立つために必要な選択でした。
日本に戻るだけが、海外ノマドの辞め方ではありません。
世界を旅し、多くの経験を積むことができたからこそ得られる選択肢が、海外ノマド経験者にはあるはず。
アルバニアという異国の地に拠点を築き、現地で事業を育てながら、これまでとは違う形で海外と関わり続ける。
私が選んだのは、そんな道でした。
今、ノマド生活の続け方や終わり方に悩んでいる人にとって、私の決断・選択が一つの選択肢を知るきっかけになれば嬉しいです。

